すべてが半端

推しが曇って飯がうまい

私は不倫を嫌わなくてはならない

最近ニュースが芸能人の不倫かコロナウイルスの二択である。知らない人間であるが、私は不倫をよしとしていない。それは他人事よりは距離感が微妙に近い話だからだ。私の父は不倫されて離婚したことがあるらしい。母はそれを不倫した女の人の気持ちがわかると言っていた。

 

私自身、父に非がなかったわけではないと思っている。父はよく手が出る人間だった。母は被害を受けなかったが、私と兄弟は受けることになった。おまけに嫌味ったらしく、仕事人間でもある。私の片親分だけ血のつながった姉は辛くなかっただろうか。今は私よりも平和な暮らしをしているのか、不倫相手は優しい人だったのか、私よりも立派な人なのだろうか。そんなことを考える。

 

不倫されて捨てられた父は、何故第二の家庭を持つ気になったのだろう。自分よりも15ほど離れたバツイチの男性と結婚しだすほど自信のない女、いわゆる私の母に価値を見出すなんて、よほど心がボロボロだったのだろうなと思う。もし不倫の後の別れという形でなく、別れてから別の異性を探すという形であれば、もう少し余裕をもって探せたのだろうに。第二の家庭を持つほどの歳で子作りに励まなければ、私や兄弟の障害もなかったかもしれないのに。そんなことを私は考える。だから私は不倫を嫌っている。

 

私は父の顔にも母の顔にも似ていない。祖父祖母の遺伝子かもしれないし、夫は「男と不倫してたんじゃないの」と言い出し私は「あの気疲れする人間に興味を持つ異性がいるなんてありえない」と答える。もしかしたら父と知らない前妻との間の子なのかもしれない。そうであってほしいとさえ考えてしまう。そうでないと私にはあの家庭の冷たさを理解できないからだ。

 

こうして不倫が話題の中、ふと「芸能人の人は世間が叱ってくれるけど、私は不倫されても誰も気にしてもらえなかった」と言っていた女性のコメントを見た。少なくとも私は芸能人ではなく有象無象の一般人や私の人生の無念の為に不倫はよくないという話題をこぼしていくのだろう。